■脂肪吸引の基礎知識
脂肪吸引とは
顔や体の脂肪というのは、丸い粒状の脂肪細胞が密集した状態です。バターのような均一な油の塊ではないのです。
脂肪細胞を例えていうとイクラのような感じで、一粒一粒の細胞の中に脂肪分が貯えられています。大きさは肉眼では見えない小さなものですが、これがたくさん集まるとぜい肉の塊になるのです。
脂肪吸引術の変遷
脂肪吸引は約30年ほど前にフランスで行なわれはじめた手術です。その後世界中に手術法が普及し行われるようになりました。日本での歴史はまだ20年そこそこで、比較的新しい手術法です。
はじめの頃の脂肪吸引は、全身麻酔のもとで1cmもの太さのカニューレ(吸引管)を使って脂肪を強引に吸引する方法で、とにかくなるべく多くの脂肪を除去できれば良いという手術だったようで、凸凹ができるのは当たり前だったそうです。今の手術法と比べると出血も多く、場合によっては輸血なども必要な大掛かりなものでした。
脂肪吸引する場所
脂肪吸引で吸引する脂肪は皮膚と筋肉の間にある、いわゆる皮下脂肪です。
皮下脂肪は薄い境界膜によって浅層と深層の2層に別れています。 浅層脂肪には細い血管や神経がたくさん通っていて、ダイエットによって減らすことができます。一方の深層脂肪には、血管や神経が少なく脂肪も燃焼されにくいために、いったん増えてしまうとダイエットで落とすのは大変です。
浅層脂肪は比較的全身に均等に存在していますが、深層脂肪は均等ではありません。女性の場合、いわゆる下半身(下腹部、腰周り、お尻の下~太ももにかけて)に特に多い傾向があります。
脂肪吸引と体重
脂肪吸引をすれば、体重も減るのでしょうか?
いちがいには言えないようですが、一般的には、脂肪吸引でサイズや見た目の体型がはっきり変わる割には、実際の体重はさほど減らないようです。
1回の脂肪吸引手術で、数百ml~数リットルくらいの皮下脂肪を吸引しても、脂肪は水よりも軽いため、1リットルの脂肪吸引に対して1kgの体重減とはなりません。
ダイエットの場合は、内臓脂肪も含めた全身の脂肪を対象に減らすことが目的ですが、脂肪吸引は体型全体から見てバランスが悪く特に目立つ部位の皮下脂肪をそぎ落とすのが目的、つまり部分痩せになるため、見た目に比べてさほど体重が変わらないのです。
脂肪吸引でサイズダウンできる?
脂肪吸引をすると、サイズも確実に細くなるのでしょうか?これは一部分に限って脂肪吸引を行うか、サイズが気になる部分を全周法で脂肪吸引するかによって違ってきます。
たとえばお腹の場合、皮下脂肪が目立ちやすいオヘソ回りの脂肪吸引だけをするか、胴回りの全周を脂肪吸引するかによって、サイズの変化も全く異なります。
部分的な吸引の場合、見た目の変化は大きいですが、サイズ的にはさほど変化はありません。確実にサイズを落としたい場合は、全周を脂肪吸引した方が効果的といえます。
どの方法で脂肪吸引するのか、自分の希望を医師にしっかり伝えて相談の上、施術方法を決めてもらいましょう。
脂肪吸引に使われる麻酔法
◇局所麻酔
手術する部分の脂肪に、直接麻酔注射をして痛みを取り除く方法です。現在の脂肪吸引の麻酔は、局所麻酔法の一種である チューメセント法 が基本となっています。
◇チューメセント法
大量の生理食塩水やリンゲル液で薄めた局所麻酔薬に、血管を収縮させる薬を混ぜて皮下脂肪に注入し、血管・神経の損傷を避け、出血を抑えて脂肪吸引を 行うための麻酔方法です。
チューメセント法では出血量が最小限度に抑えられるので、 広範囲の脂肪吸引を安全に行うことが可能です。また大量に注入した麻酔液が脂肪細胞に吸収されて脂肪細胞が膨張し、柔らかくほぐれたようになるので、脂肪吸引を行うときに無理な力を入れなくても行うことができるメリットもあります。
脂肪吸引は繊細な手術ですから、無理な力を入れずに脂肪吸引ができるということは大変重要なポイントになります。 チューメセント法に体外式超音波を併用すると、この効果がさらにアップします。
脂肪吸引の手術法
脂肪吸引は、カニューレと呼ばれる吸引管を使って脂肪細胞を吸引し取り除きます。
1.脂肪吸引のデザインをする
どの範囲からどのくらい脂肪を吸引するかのデザインを、たった状態でボディーに書き込んでいきます。
2.麻酔をする
手術のはじめに静脈麻酔または全身麻酔で眠るための麻酔をします。眠るくことで痛みや恐怖感を取り除き、無痛で手術できるようにするために行います。
脂肪吸引に使われる機器
◇カニューレ(吸引管)
カニューレとは、脂肪を吸引する為に使用する細い吸引管のことです。これを小さな皮膚切開から挿入して皮下脂肪を吸引します。カニューレを皮下脂肪に挿入した時に血管や神経を傷つけにくいように先端は丸まっていて、脂肪を吸引する吸引口がカニューレの横に開口しています。
引圧がかかると横穴に脂肪が引きこまれ、少しづつ脂肪が吸引されていく仕組みです。一般的に太いカニューレを使用すると脂肪吸引はスピーディーですが、反面大雑把で出血も多くなる傾向があります。逆に細いカニューレでは吸引の手間はかかりますが、繊細で出血の少ない脂肪吸引が可能になります。
脂肪細胞について
セルライトの原因になるのは脂肪細胞で、脂肪細胞は体のなかで脂肪の合成や分解、蓄積をおこなう細胞のことです。脂肪細胞は胎児期、乳児期、思春期に最も増えて、それ以降は増えないといわれていましたが、最近の研究では思春期を過ぎて大人になってもまだ増殖することがわかってきたようです。
脂肪細胞が肥大してセルライトの原因になりますから、セルライトの除去には脂肪細胞の存在が問題になります。
この脂肪細胞はほかの細胞と違って、いったん脂肪細胞の数が増えてしまうと、ほとんど死滅することがありません。つまりダイエットなどで痩せるのは脂肪細胞自体が小さくなっただけで、脂肪細胞の数はちっとも減っていないということです。脂肪細胞の数が変わらないということは、リバウンドしやすいということでもあります。
根本的にセルライトを除去しようと思ったら、脂肪細胞の数を減らす手立てが必要になるということになります。