脂肪吸引に使われる麻酔法
◇局所麻酔
手術する部分の脂肪に、直接麻酔注射をして痛みを取り除く方法です。現在の脂肪吸引の麻酔は、局所麻酔法の一種である チューメセント法 が基本となっています。
◇チューメセント法
大量の生理食塩水やリンゲル液で薄めた局所麻酔薬に、血管を収縮させる薬を混ぜて皮下脂肪に注入し、血管・神経の損傷を避け、出血を抑えて脂肪吸引を 行うための麻酔方法です。
チューメセント法では出血量が最小限度に抑えられるので、 広範囲の脂肪吸引を安全に行うことが可能です。また大量に注入した麻酔液が脂肪細胞に吸収されて脂肪細胞が膨張し、柔らかくほぐれたようになるので、脂肪吸引を行うときに無理な力を入れなくても行うことができるメリットもあります。
脂肪吸引は繊細な手術ですから、無理な力を入れずに脂肪吸引ができるということは大変重要なポイントになります。 チューメセント法に体外式超音波を併用すると、この効果がさらにアップします。
◇硬膜外麻酔
脊椎付近の神経に局所麻酔を行って、意識があるままで体の広範囲を無痛にする麻酔法です。腰や背中から脊椎付近に細い管を刺して麻酔を注入します。下半身(お尻、太もも~ふくらはぎ)の脂肪吸引の際に効果的な麻酔法です。
◇静脈麻酔
点滴から薬を注射して、一時的に眠くなることで痛みを感じなくする麻酔法です。深く寝ている時間ははじめの20~30分くらいで、その後はボーっとした感じの中で手術を行っています。静脈麻酔をした上で、はじめの深い眠りのうちにチューメセント法で吸引の全範囲に局所麻酔を施すと、局所麻酔の注射の痛みも感じることなく、また静脈麻酔が覚めてきてからも局所麻酔が効いていて、ほとんど痛みを感じることがありません。広範囲の脂肪吸引でなければ、患者にとってはこの麻酔法が一番楽に手術を受けることができます。
◇吸入麻酔(全身麻酔)
フェイスマスクをあてたり、それで不十分な場合は口や鼻からのどの奥まで管を通したりして、麻酔のガスと酸素を持続的に吸入できるようにして、長時間眠った状態にする麻酔法です。広範囲の吸引を行う場合に、患者の痛みや恐怖感を長時間持続的に取り除く目的で行います。
静脈麻酔の場合と同様に、チューメセント法の局所麻酔を併用して行います。併用することにより、全身麻酔の分量が体への負担が最小限度にすむ範囲で行うことができますので、日帰り手術が可能になります。